塀にはさまれたミーコ

朝早く、猫の鳴き声で目が醒めました。
 
みゃー、みゃー、みゃー

しかし、泣き声だけが聞こえ、姿が見えない。

よーく見ると

庭の向こうの塀の下に、白いものが見えています。

ミーコです。

「もどってきたんだ!」





問題は、ミーコがいる場所でした。




マンションの金属製の塀と、隣の会社のコンクリートの塀の間に

子猫しか通れないような、ものすごく狭くて長い隙間があります。

その隙間でできた通路に猫がいるのです。

その塀は2メートルくらいの高さで、塀の下に猫の頭ぐらいのわずかな隙間が

あります。

その隙間からこっちに向かって、しきりに鳴いている猫がいました。

その猫は4匹の子猫の母親のミーコでした。



大失敗でした。

出してあげた私も悪いし、隙間にはさまってしまったミーコも悪い。

昨年まで、その隙間は野良猫だったミーコの出入り口でした。

その頃家で飼っていたアメショーの雄猫のいずみさんに会うため、

ミーコはその通路を利用していました。

その狭くて長い通路はとても便利なものだったと思います。

子猫だったミーコはちっちゃくてスリムでした。

誰も通れないその隙間を、するする自由自在に通っていました。

いずみさんもほかの野良猫も絶対通れないその専用通路、

今思えば、その細い通路がなければ、ミーコが我が家にやって

くることはなかったと思います。

ミーコにとっては、思い出の通路だったと思います。





しかし、今は・・・




塀にはさまって大騒ぎするのは、実はこれで2回目です。

一回目の時は、いつの間にか出ていました。

今回もそう思いました。

「入れたんだから、出れるでしょ」

家族は、みんなあきれた顔して笑っています。

しかし、今回はちょっと違う。

本当に挟まって困ってる感じにしかみえないのです。

あんまり悲壮な泣き声に、可愛そうになったのか、

主人が避難通路に出て、塀の下でないているミーコのそばに行き、

出かけるまでの間、餌をあげたり、励ましたりしていました。

「馬鹿だね~、少し頭を使えばわかるでしょう?

  出口はあっちだよ。頑張って自力で出るんだよ。」

出勤時間になり、娘も主人も出かけてしまいました。

私は、その時間は朝の弁当作りとかゴミだしとかで忙しくて

かまっている暇がなかったので、しらんぷりしていました。



その後、しばらく鳴き声が聞こえなくなったのでほっとしました。

しかし、ただ鳴きつかれて、やすんでいただけのようです。




10時すぎ、洗濯物を干すため外に出たとき、ミーコは

再び、大きな声で鳴き出しました。


「まだ、いたんかい!!」

びっくりしました。

私の姿が見えたので、今度は私に助けを求めているのです。

しかし、そばによって、声をかけることしかできません。

長女も起きてきたので知らせましたが、笑いながら困っているだけ、

心配だけど、どうにもならない。

彼女も間なく出かけました。

とうとう、

助けてあげられるのは自分だけになってしまいました。

子猫達がみんな見ています。


みゃーみゃーみゃー


ご近所の手前もあり、早くどうにかしなくては

と思いあせりました。

どうにもできないとわかっていたけど、再び傍に行きました。

塀の下から手を出し、ミーコをなでてあげました。

うれしそうにしていますが、

それ以上は何もできません。



どうにか出してあげられないものか・・・。

塀の右端か左肺まで行けば脱出できるとわかっています。

しかし、この猫は、下から出ようとしている。

それなら、誘導してあげれば、いつかは出られる。

私が誘導するように動くと、ミーコも少し前に進みます。

いいぞ、いいぞ、その調子。

しかし、3メートルぐらい進むとピタリと止まるのです。

隣の隣の庭ぐらいで後戻りしてしまいました。

自分の家の庭の前がいいのです。

ミーコにしてみれば、やっとみつけた自分の家の庭。

そこからはなれたくないのかもしれません。

あるいは、その先には怖いものがある。

「ここから出るのは絶対無理だからあっちから出ておいでよ・・」

言葉が通じないとわかっていても、言い聞かせるしかありません。



普段、避難通路は、通りません。

そこを通ることで、庭や家の中が丸見えになるからです。

また、あちらからもこっちが丸見えです。

つまり、おたがいにプライバシーの侵害になるので通らないようにしているのです。

私は、恥ずかしかったけど

そのときは我慢しました。


しかし、となりの人たちは見ていました。


「猫が塀にはさまちゃって・・・」



そんな事いわなくてもみればわかるけど

そう行って笑ってごまかしました。



「塀にはさまちゃったのね」

隣の隣の奥さんと幼児には軽く会釈しました。

鳴き声がするので見ていたのでしょう。



猫には、一生懸命説明したので、

とりあえず、その場を離れて家の中に入りました。




バタン。




そうすると、見放されたと思ったのか

塀の下の隙間に頭を突っ込んで出てこようとしました。

ぐいぐい頭を突っ込むのですが、足を出すのがやっとです。

無理やりやるので痛そうでした。


「無理だよ~」


私が家の中に入ってしまったので、本当にあせったのでしょう。

猫は自力で這い出そうと、必死で努力し始めました。




「はさまちゃったのねえ~」


隣のおばあちゃんが、声をかけていました。




  困った!

次の対策を考えていました。

塀の高さは2メートル以上。

塀と塀の隙間は15センチくらい。

塀の下の隙間は猫の頭がやっと入るくらい。


塀の横の長さは・・・・はてしない。



そうだ!

下が駄目なら上がある。




こうなったら、はしごのようなものを作って、上から救出するしかない。

レスキュー隊ならどうする?

古いカーテンを出して、うーんとうなっていたら、





あれ?



猫が庭にいるのです。

わが目を疑いました。



幻を見ているようでした。



「か、帰ってきた!!」


「ミーコだよね?」



よたって薄汚れていました。

でも、あきらかにそれはミーコです。

急いで中にいれました。

ミーコは、かなり頑張ってきたみたいで、

おなかのあたりがばくばくしていました。

たった一日だったけど、おなかがぺったんこ。

雪のように真っ白だった毛も、こころなしかグレーに見えます。



よく脱出できたたねえ。

やさしくなでてあげました。

そして、いつもの半分くらいの量のえさを与えました。(急に食べると吐いちゃうからね)

子猫たちが、わーっとよって来て餌を横取りしそうになったので和室にいれてあげました。

呼吸が荒く、おなかのばくばくがなかなかおさまらない。

それでもものすごい勢いで餌を平らげていました。

水はなぜか飲みません。

昨日は一軒むこう隣で、庭の園芸工事をしていたので、知らないおっさんが大声で

話していたし、ドリルで穴を掘るような大きな騒音がしていたし、

夕方にはあの豪雨とかみなり・・・

いろんな事がありすぎて、さすがのミー子もびびってしまったのかも

しれません。



ミーコが塀にはさまれて鳴いている時、4匹の子猫が、

全員で窓に張り付いて、心配そうにお母さんのミーコをみていました。

中でも、ミャーミャー鳴いているゆきちゃんが可愛かった!



もうしばらく、猫達の「お外」は、ないな、と

思いました。

ベテランのミーコがこれなんだから

子猫達は絶対無理!

と思います。

それでも、ミーコが無事に戻ってこれて本当によかった!



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